焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「それは俺が調整してたからだよ。てか今日だけじゃないからな、お前がレディーキラー飲まされそうになる度に調整したのは」

ぐっと距離が近づいて、ほぼ密着状態になる。

ずっと調整してたって。

そんなの知らなかった。

そういうことをしてくれてるなんて、思わなかったから。

「あいつが最初にお前と同じジン・トニック頼むのも気に入らないし。あれは俺がお前のためだけに作ったカクテルだったのに、何で同じやつを出さなきゃいけないんだよ」

じゃあ今まで瀬戸さんがジン・トニックを頼む度に、態度には出さなくてもそういう風に思ってたのか。

感情をむき出しにして喋る成宮さんが珍しくて、言葉が出てこない。

「ほんと、むかつく」

「ひっ」

額に口づけをされる。

「お前らがここに来る度にあいつが距離近くなってるのも」

次は瞼。

「楽しそうにずっと話してるのも、本当は……ずっと、前から」

瞼から滑り落ちて、頬へキス。触れられたところが熱い。

< 231 / 242 >

この作品をシェア

pagetop