焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「それは俺が調整してたからだよ。てか今日だけじゃないからな、お前がレディーキラー飲まされそうになる度に調整したのは」
ぐっと距離が近づいて、ほぼ密着状態になる。
ずっと調整してたって。
そんなの知らなかった。
そういうことをしてくれてるなんて、思わなかったから。
「あいつが最初にお前と同じジン・トニック頼むのも気に入らないし。あれは俺がお前のためだけに作ったカクテルだったのに、何で同じやつを出さなきゃいけないんだよ」
じゃあ今まで瀬戸さんがジン・トニックを頼む度に、態度には出さなくてもそういう風に思ってたのか。
感情をむき出しにして喋る成宮さんが珍しくて、言葉が出てこない。
「ほんと、むかつく」
「ひっ」
額に口づけをされる。
「お前らがここに来る度にあいつが距離近くなってるのも」
次は瞼。
「楽しそうにずっと話してるのも、本当は……ずっと、前から」
瞼から滑り落ちて、頬へキス。触れられたところが熱い。