焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「うーん、話すと長くなるから端折るけど。確かに、お互いの想いを伝えるまでに時間がかかったし、色々乗り越えなきゃいけないこともあったよ」
どの出来事も鮮明に覚えている。
「でも、本音を言い合って、紆余曲折あった結果付き合うことになったというか」
「端折りすぎだわ。だいぶ重要なとこ省いてるわよね」
琴美の言いたいことは最もだけど、ふたりだけの秘密ということにしておいてほしい。
「本当に、説明すると昼休み終わっちゃうから」
「ふーん?ま、和花菜が幸せならそれでいいわ。で?」
「で、……と言いますと?」
「つき合ったらデートするでしょ。予定は?」
「うん。来週、初めて遊園地に行くことになったんだ」
成宮さんと初めてのデート。
一度夏に鎌倉と江の島観光に行っているけど、あれは付き合う前だから。
「いいわねえー初デートで遊園地。楽しそうじゃない」
琴美がうっとりした表情で声を弾ませる。