焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「私も楽しみ……だけど」
「緊張してなにをどうすればいいのか分からなーいって感じ?」
「ご名答です」
恐れ入る。琴美はそれくらいお見通しだと言わんばかりのしたり顔。
「まず服装は何にしようから始まり髪型もどんなスタイルがいいんだろう、彼の好みも考慮すると……決められない!」
「私のマネしてるつもりなら似てないけど内容は完璧に合ってます」
久しくデートなんてしていないから、雑誌の特集やSNSをみて研究している最中だ。
「いいじゃない、変に気負わず普段のままでいれば」
「そうは言うけどさぁ」
「初デートで気合い入れる気持ちもじゅうぶん理解できるわよ。でも、場所だって遊園地だし動きやすさも重視しないと。例えば------」
琴美は遊園地デートの服装やヘアスタイルのアドバイスを細かく教えてくれた。
雑誌の特集よりも経験則が盛り込まれている分説得力がある。
「で、和花菜の場合はこのスタイルがおすすめ」
「本当だ、頑張りすぎてない垢ぬけた可愛さって感じ」
「でしょー。これくらいがちょうどなのよ」