焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「マスター、すごい美味しいです。いつも飲むジントニックより全然美味しい」

「ははは、それなら良かった」

それからもマスターと静かに仕事の話を楽しんでいると。

「きゃーっすごい!いいなぁ。次は私のカクテル作ってください」

「君。俺たちにも頼むよ」

「え~私たちにもお願いします」

「ずるいこっちにも来てくださいよ」

「ありがとうございます。今、お作りしますね」

私とは逆のカウンターの端で、黄色い声がいくつもあがった。

反射的に声のする方を見てみると、お洒落で美人なお姉様方がバーテンダーにうっとりした表情を向けていて。

更にその様子を見ていた他のお客さんも次は自分にカクテルを作ってくれとオーダーし始めた。

私の方に背を向けているから、どんな人なのか分からない。

ただ後ろ姿を見る限りモデル体型だし、きっと格好良いんだろうな。

「マスター、あちらのバーテンダーの方は?」
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