焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
お隣さん同士だからマンションのエントランスで待ち合わせる。
手持ち無沙汰で意味もなくスマホで時間を確認するけど、まだ10分ある。
私が行きたい場所に連れていってくれると言われ、定番のあの場所をリクエスト。
「『江の島と鎌倉、これで気になるあの人と急接近特集!』って……」
色々なサイトで情報収集をしてみたけど。
そもそも彼氏ではないからあまり意味はなかった。
「どれだけ浮かれてるんだ自分は」
初デートではしゃぐ中学生か。
頬を叩いて気合をいれたところで。
「おはよ」
「なっ、るみやさん!おはようございます」
成宮さんはエントランスのエレベーターからではなく、外から入ってきた。
「車まわしてきたから。行こ」