焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「え!成宮さんの車に乗せてくれるんですか?」
「電車でも全然いけるけど。こっちの方が人目を気にしなくて楽だろ」
和花菜が癒されるために行くんだから、と微笑む。
いや成宮さんとふたりっきりの方が緊張しますけど?!
とは言えずにおとなしく頷く。
「運転お願いします!」
車内に入ると、控えめだけど上品な香りに包まれた。いつも成宮さんの服から香るものと同じ。
もう、それだけで胸がいっぱいになる。
「和花菜、緊張してんの」
「き、緊張なんて別に……少しだけ」
最後の単語は情けないくらい弱々しい言い方になってしまった。
だってもう今の時点で色々と限界だ。
成宮さんの私服姿にハンドルを握る腕の筋肉、首筋。
格好よすぎませんか。
「成宮さんの運転してる姿、すごい新鮮です。っていうか夜じゃなくて昼に会ってるっていうのも初めてですし」