焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
成宮さんとこうして一緒の時間を過ごせるだけで嬉しいんだ、幸せに決まってる。
お団子を食べ終わったところで鶴岡八幡宮へ到着。
「ここずっとまっすぐ行けば本殿か。参道なっが」
「参道って長いほどいいらしいですよ。ちなみにここは源頼朝にゆかりがある神社なんです」
「長いほどいいっていうのは初めてきいた」
幅が広くて長い参道の端を歩き、まっすぐ進んでいく。若々しい緑に朱色の建造物が映える。
たまに立ち止まって写真を撮るけど、それだけじゃ飽き足らずきょろきょろ見回していると。
「和花菜、ちゃんと前見て歩く」
本宮に行くまでの石段にさしかかったところで、やんわり背中に手を添えられた。
「小学生に言い聞かせるみたいな言い方」
「今の和花菜小学生みたいにはしゃいでるから」
「だってどれも造形が凝ってて面白いんですもん。ほら、これも曲線美がたまらない」
「せんせーの言うことは聞きましょうね」
「先生って成宮さんですか?え?私引率されてる子供?」
分かってるなら行くぞ、と成宮さんに連れられ階段をのぼる。