焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

成宮さんは隣に座っていた外国人観光客の人たちに何か質問されていた。

地図を開いてるあたり、道を聞いているのかもしれない。
さすが海外に修行にいっていただけあって流暢な英語を話す。

会話が終わったところで成宮さんに話しかけた。

「こういうとき英語話せるっていいなぁ。単語しか聞き取れませんでした。今度英語教えてください」

「おー。どうせ部屋隣同士だし、暇なとき」

「え!いいんですか!?」

「お互い予定が合えばな」

なんと。成宮さんのことだからめんどくさいってひと蹴りされると思ってたのに。

「向こうでの生活はどうでした?意外と乗り切れるものなんですか?」

「初めは時差含めて全部違うし。困った」

私が出会う前の成宮さんは、何をしていたのか。初めてその欠片に触れる。

「気温も違うでしょうし。慣れるまでに時間がかかりそう」

「まあな。でも、向こうで日本人の仲間もできたし。世界水準の技も習得してコンテストで優勝できた」


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