焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
なんとか平然を装ってアイスを口に近づける。
「……ん、うま」
周りで成宮さんを食い入るように見てる女性の方々は、無表情でアイスを食べてるようにみえるかもしれない。
でも、本当は少しテンションが上がってる。
「このフルーツ全部国産で新鮮なものを使用してるらしいですよ」
「そんな感じするわ」
「適当ですね分かってます?」
「この景色が余計に美味しく感じさせるよな」
「っふふ、もう」
残りを食べていると、お返しと言って成宮さんにアイスを差し出された。
「どーぞ。食べてみ」
本日二度目。成宮さんはあれなのか。
美味しいものは分け合いたい派なのか。
ひとりで美味しいものを全部食べるよりも相手にも分けてあげたいのかもしれない。