焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「和花菜は?あ、分かった。広告関連の本をひたすら読んでるんだろ。ここからここまでは絶対読むって範囲も決めて」
「何で範囲決めることまで分かるんですか」
「そんな感じするから。真面目じゃん、和花菜」
「……実は真面目じゃないかもしれませんよ?」
「嘘。知ってるよ、和花菜が真面目すぎるくらい真面目ってこと」
適当に言ってるんじゃなくて、ちゃんと分かって言ってくれるのが伝わってきた。
あ、成宮さんに自分のことみてもらえてたんだって実感する。
「はー、着きましたね!夕焼けすごい」
「ナイスタイミング」
目の前には、眩しいくらい輝く夕陽と、そのオレンジに染まる海が広がっていた。
夕陽の半分が海に溶け込んで、夜の藍を引き連れてくる。
指で額縁を作って景色を切り取っていると。