焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
その姿の方がレアな気がして、景色を撮影する成宮さんの横顔をパシャリ。
「あ、今撮っただろ」
「あとで送ってあげますよ?」
「いらねぇ」
スマホに収められている淡いオレンジを纏う成宮さんは、やっぱり美しい。ずっと眺めていられる。
間違って消さないようにお気に入りに登録。
「すごい、シーグラスだ!」
「見せて……ああ、もとは瓶の破片だったガラスだよな」
「この色のシーグラスは珍しいって聞いたことがあります。こっちにも」
なんだか宝探しをしてる気分になって、夢中で見つけていたら。
「子供か」
成宮さんも隣にしゃがんで、たび風が吹く顔にかかる髪を耳にかけてくれた。
「お前髪留めとかもってねーの」
「ありますよ、確か……あった」
バッグからシンプルなヘアゴムを取り出す。
でもこれどうするんだろう?と思ったら成宮さんが腕にはめた。