焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
でも、見知った街並みが近づけば近づくほどその思いは小さくなっていく。
そして渋滞に巻き込まれることもなく、マンションについてしまった。
ふたりでエレベーターにのり、お互い部屋のドアの前でとまる。
「成宮さん、今日は運転までしてもらってありがとうございました。すっごく癒されました」
しっかり笑ってお礼を言わないと。
気を使わせちゃだめだ。
「たっぷりリフレッシュできたので、また明日から頑張れます」
「……和花菜」
え、と思った時にはもう成宮さんの腕の中にいた。
「な、るみやさん」
「そういう、『帰りたくない』って顔すんな。しょうがないから、明日から頑張れるようにおまじない」
おまじない?なんだろう、と首をかしげると。
---チュ、と軽いリップ音と共に額に柔らかい感触が。