焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新
「な、え?」
「元気がでるおまじない。留学先の国では相手に元気を出してほしい時のおまじないとして、こうするんだってさ」
キスされた場所に、そっと触れる。
「これで明日から頑張れ」
最後にぽんぽんと背中をさすって、送り出してくれる。
「ありがとうございます!成宮さんも、頑張ってくださいね」
「ん、さんきゅ」
車に乗ってるときは、ああもう別れなきゃいけないのかって沈んでたけど。
おまじないのおかげで心が浮上した。
ガチャッとドアのカギを閉めて、そのままずるずると玄関にへたり込む。
「恋って……心臓がもたない」