焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「な、え?」

「元気がでるおまじない。留学先の国では相手に元気を出してほしい時のおまじないとして、こうするんだってさ」

キスされた場所に、そっと触れる。

「これで明日から頑張れ」

最後にぽんぽんと背中をさすって、送り出してくれる。

「ありがとうございます!成宮さんも、頑張ってくださいね」

「ん、さんきゅ」

車に乗ってるときは、ああもう別れなきゃいけないのかって沈んでたけど。

おまじないのおかげで心が浮上した。

ガチャッとドアのカギを閉めて、そのままずるずると玄関にへたり込む。

「恋って……心臓がもたない」

< 92 / 242 >

この作品をシェア

pagetop