焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

「なーにニヤニヤしてるの?和花菜」

「びっ……、くりした。琴美か」

昼休みにオフィスのフリースペースでお弁当を食べていたら、同期の琴美に肩を叩かれた。

「ひとりでスマホ見て笑ってるんだもん気になるでしょ」

「嘘、顔に出てた?恥ずかしい」

「ちょっと見せて」

「あ、こら」

手に持っていたスマホを抜き取られて、ずっと見ていたアレを見られてしまう。

「へー、綺麗ね。これどこ?江の島っぽいけど」

「う、うん。最近休みに行ってきたんだ」

「誰と?」

「友達だよ?」

努めて自然に返事をしたつもりだったのに。琴美は騙されてくれないらしい。

「へーぇ。友達ねぇ」

成宮さんの横顔の写真は別フォルダに登録してあるし、今開いてる画面にはほとんど風景や食べ物しか映ってないから大丈夫なはず。

でも琴美はある画像を見せてきた。

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