焦がれる夜に、あなたのキスを。【完】番外編更新

私の性格を利用して言葉を選びながら質問するあたりずるい。

「和花菜って特に趣味もないでしょ?だから趣味きっかけって可能性は薄いな」

「刑事ですかあなたは」

「あはは、刑事じゃないからこれ以上は分かんないや。教えてよ、ね?」

美人の上目遣いの破壊力たるや。これ以上ごまかしたところで見破られるだろう。

観念して正直に話すことにした。

「一緒に鎌倉と江の島に行った人が友達、っていうのは本当」

成宮さんとは付き合ってるわけじゃない。

「仕事帰りにたまに寄るバーのバーテンダーさんで、私が自然に癒されたいなって言ったら連れて行ってくれたの」

「バーテンダーと?和花菜が?」

その信じられないって顔、失礼だな。いやそう思われても仕方ないけど。

普通に考えて、お店でしか接点がないのにプライベートで出かけるってどういう経緯だなのか、不思議に思うよね。

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