藍と未来の一つ屋根の下
藍と未来が病室に着くと、てる子ばーちゃんが笑顔で迎えた。


足にギプスが巻かれ、吊るされている。
病室にはかずオッちゃんもいた。


「ばーちゃん、大丈夫!?」


未来が駆け寄るとばーちゃんは「全然大げさじゃないのよ」と笑った。


「お勝手口の階段でつまずいちゃって。すぐ元気になるわ」


足首の骨折で二週間の入院。いつも元気だったばーちゃんが病院にいるのが未来には信じられなかった。


「誕生日会は退院祝いと一緒?」


未来が言うと、「病室でやればいいだろ」と和夫が言った。


「迷惑だろ」


と、藍。


「ちょっと、孫冷たすぎー!」


未来が藍をからかう。


「ミクちゃんもばーちゃんの孫でしょ」


てる子ばーちゃんがベッドから未来の頭を撫でる。


「当たり前じゃん」


藍と二人の時間も幸せ。

でもばーちゃんとかずオッちゃんとの時間も幸せ。


ずっとこの家族でいられたら、それが一番幸せだって未来は思う。
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