藍と未来の一つ屋根の下
「いつ言ってくれるの?」


「いつかな」


「今」


「あほか」


「言ってよ。未来は俺だけのものだ!って」


「しつけーな」


「そしたら…」


未来は身体を少しずらして、藍の顔の横に自分の顔を埋めた。


「安心できるじゃん」


藍の両手が未来の背中を抱いた。


呼吸で胸が上下するのが未来にも伝わってくる。


「不安?」


「うん」


「ついててやるから」


「ずっと?」


「おう」


未来が顔を上げると、藍の切れ長の目と視線が合う。


子供の頃から知っている藍の顔が、ずっと大人になっていたことを未来はその時初めて感じた。


そして同時に、そんな藍にいつもとは違う胸の高鳴りも感じていた。
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