藍と未来の一つ屋根の下
藍の手が未来の頭に添えられる。そのまま藍の手に導かれて、未来は藍の唇に吸い寄せられた。


最初はゆっくりと、お互いの唇の感触を確かめるように。


そのまま藍は未来を横にすると、未来の上に覆い被さるように姿勢を変えた。


「藍」


未来の目から自然に熱い涙が溢れてくる。涙はこめかみを伝って髪を濡らした。


「離れたくない」


「離れないだろ」


未来の首筋に唇をあてながら藍が呟いた。


「おまえは俺のものだろ」


「うん」


未来の涙が止まらないまま、藍が何度も未来にキスをした。


「時間止まらないかな」


涙声で未来が言う。


「そうだな」


涙で滲んだ視界で未来が藍を見上げると、唇を離した藍と目が合う。


いつものポーカーフェイスの瞳に微かに浮かぶ寂しそうな光を、その日未来は初めて見た。
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