藍と未来の一つ屋根の下
その日も部活がなかったので、未来はいつものようにアリサと友美と一緒に帰る。

3人で校舎を出ると、田村先輩と目があった。

三年生の先輩たちと話していた田村は、未来に気がつくと笑顔で手を振る。

一週間前に告白されてから、返事はまだしていないけど、田村先輩は部活中でもすれ違うと声をかけたり手を振ってくれる。

未来も手を振り返すと、田村の友達がからかうように田村を小突いているのが見えた。

「ミク、本当に田村先輩と付き合ってないの?」

アリサが眉間にシワをよせて未来に詰め寄った。

「付き合ってない」

「一年の間でも結構噂になってるよ」

「うそ?」

「ミクは好きな人とかいないの?」

と、友美。

「いない…かなぁ」

「えーもったいない!私がミクだったら絶対田村先輩と付き合うのになぁー」

アリサはそう言って未来に抱きついた。

「私が男子だったら友美とアリサと付き合う!」

「二股じゃーん」

そう言って友美も未来に抱きついた。

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