藍と未来の一つ屋根の下
ミクは前日の夜、有里華に叩き起こされて眠くて仕方なかった。

24日は水商売の稼ぎ時らしく、毎年、母の有里華は派手に酔っ払って深夜に帰宅する。

昨夜もたくさんの「プレゼント」の紙袋を抱えて、深夜の3時過ぎに帰宅した。

いつもは水を飲んでリビングでそのまま寝ていることが多い有里華が、この日は未来の部屋に押しかけてきた。

「みっくちゃーん！メリークリスマァァァァス」

寝ている未来のベッドに潜り込み、そのまま抱きつく。

「ママ、お酒くさい…」

慣れているとはいえ、そのまま何度も起こされてプレゼントを見せられたり、冷蔵庫のシャンパンを開けて「みくちゃん愛してる」と何度も絡まれた。

「このワンピースは寺田さんがみくちゃんにってくれたからぁ！着てー！！！」

寺田さんはママのお得意さん。

未来にも何度もプレゼントをもらっていた。

食べかけのドーナツを前に、未来は大きくあくびをした。

「ねえミクもアリサのキスの話聞こうよ」

友美が未来の前でパンパンと手を叩く。

「ねえ、ミクは青山とどうなの？」

アリサがふいに未来に話題を変えた。
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