藍と未来の一つ屋根の下
廊下の電気を消した藍が未来の部屋に入ってくる。


「どけ」


ベッドで横になる未来の脚を、藍が脚で軽く蹴った


「私の部屋なんだけど」


「おまえいつも俺の部屋で寝てるじゃん」


「藍」


「あ?」


「こっちきて」


「うるせえな。だからどけよ」


未来の部屋のシングルベッドに、藍が潜り込む。


藍は未来に背を向けて横になった。


未来は仰向けで目をとじてゆっくりと息を吸った。


「藍」


「寝ろ」


「寝れない」


未来は藍の背中にそっと触れてみる。


「藍」


「なんだようるせえなぁ」


「寝るまで話そうよ」


「はいはい」


藍は体制を変えて仰向けになった。


「男の人ってさ」


藍は返事をせずに目を閉じている。


「好きじゃない人でもやれるってほんと?」


「なんの話だよ」


「美咲が言ってた」


「誰だよ」


「私の友達!」


「へえ」


二人の間をしばらく沈黙が流れる


「藍」


「なんだ」


「さっきの質問の答えは?」
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