藍と未来の一つ屋根の下

一緒に寝てやるよ

『飯くる?』


中学を卒業するまでほぼ毎日、夕飯は藍の家で食べていた。


高校にあがってからは、藍と学校が離れたこともあり、てる子ばーちゃんのご飯は未来からやめるよと伝えた。


「いつまでも世話になるわけにいかないし、私も少しずつ家事できるようにならないとだから」


そういう未来をてる子ばーちゃんは最後まで引き止めた。


「ミクちゃんは家族なんだから、気を使わなくていいんだから」


でも未来は高校になったら家事は自分でやると決めていた。


てる子ばーちゃんは優しくて、カズオッちゃんと藍がいる家は居心地が良すぎて、ずっと甘えてしまいそうだったから。


『今日友達と約束。ばーちゃんにはまた行くって伝えといて』


藍にそう返信すると


『ばーちゃん寂しがってるからまたこいよ』
と返事が返ってきた。


「今のLINEだれ!?彼氏!?」


すかさず美咲が食いついてくる。


「違うよ。家族」


未来はそう答えるとスマホをしまった。


「じゃあミクに彼氏ができるように、今日マー君にイケメン連れてくるように頼んどくわ!」


「いらないって!美咲お節介だからー!」

未来はばーちゃんに感じていた申し訳なさをかき消すように、大声で笑った。
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