藍と未来の一つ屋根の下
「ねえ本当にいくの?」


「ここまできて何言ってんの?」


カラオケボックスの次の日の放課後、未来、美咲、カナ、リー子の4人はさっそく電車に乗ってN高校の校門の前に立っていた。


「絶対に藍に怒られる…」


未来は気が重かった。


「彼氏君にはバレないように、こっそり物陰から一目見るだけでいいから」


カナはそう言うけど、それなら写真でいいじゃんと未来は思う。


「お待たせ」

未来達の前に背の高いショートカットのN高の制服を着た女子が現れた。


「こいつ美咲の友達のユーリン。N高案内してもらうために呼んだー」


「よろしくー」


ユーリンが手をあげる。


藍が通う私立N高校の制服は、ブルーのブレザーにグレーのスカート。


未来達が通うS高校の制服は紺のブレザーに水色のチェックのスカート。


自然と未来達はN校内で目立つ。


「で、美咲の友達の彼氏はサッカー部?何組の誰だっけ?」


ユーリンの案内で未来達は校舎を横切って放課後の校庭に向かう。


「青山?ああ。同じクラスだよ」
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