藍と未来の一つ屋根の下
「純は…なんで私に彼氏がいるのに誘うの?」

「可愛いから」

即答で答えた後、純は笑った。

「っていうのもあるけど、正直言うとほっとけないからかな」

未来が純の顔を見る。

「なんかほっとけないんだよね。ミクちゃんは」

「ぶっちゃけるとね、最初は俺も彼女と別れたばっかりだったし、美咲ちゃんの友達紹介してよーみたいなノリだったんだよ」

純がアイスコーヒーのストローをかき混ぜると、氷がカランと音をたてた。

「んで、いたのがミクちゃん。初めて見たとき顔がすっげータイプでちょっとビックリしたのはほんと。だから狙っちゃおって思ってさ」

「彼女と別れたばっかりだったんだ」

「ごめん。気分悪くした?」

未来は首を振った。

「そんで話してみたら意外と家庭的だし、思ってたよりガード固いしw」

純はアイスコーヒーのストローをグラスから出したり入れたりしていじっている。

「んで、ガード固いと思いきや素直でちょっと流されやすくて頼りないでしょ」

未来はなんだか恥ずかしくなった。

「それで俺、本気で好きになっちゃった」

< 99 / 148 >

この作品をシェア

pagetop