Honey Drop

-カチ




一瞬で部屋全体が薄暗くなった




豆電球へと切り替えたのである




ホッと胸をなでおろしデーブルへ向かい腰を下ろす





「いただきます…」



またもや小さく呟き料理に箸を付けていく




薄くらい部屋で食べる食事



彩りが良いはずの野菜炒めも暗くくすんで見える



家庭的な味の味噌汁ではあるが色合いは同じくくすみ




”家庭的”の言葉からかけ離れたような汁物へと変化しているようであった







「おいし…」



奈央にとって暗闇は唯一落ち着ける環境




見た目なんて言葉は関係ない


味そのものが美味しければ良いのだ


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