Honey Drop
「暑っ…」
雨の翌日は湿度が高いにも関わらず
汗一つ滲んでいない
新陳代謝が悪すぎるのである
普段から運動もしない奈央にとって”汗”は無縁に近かった
しばらく歩くと
小さなスーパーが見える
適当な食材を買い込み
書籍コーナーで推理小説を買い込む
両手にスーパーの袋を掲げ
フラフラとした足取りでアパートを目指した
「ただいま………は?…」
一気に肩の力が抜け
スーパーの袋が床に落ちる
相変わらず汗はかいていないが
冷や汗が滲み出ているのが解った