さよなら、Teacher
「もしもし…あーわかった。じゃ、あとで」


「ヒロくん、もしかして、彼女?」
電話ごし、かすかに聞こえたのは女性の声だった。

「特定はいねーよ。
先生こそ、カレシいるの?」

「私?…いるよ」

返事をした恵は、うれしそうに、ぱあっとはにかむ笑みを浮かべた。


ーなんだ、うれしそうにしやがって。気にいらねぇ。


「へぇ付き合ってどれくらい?」
「もう、1年になるかな」
「どこで知り合ったの?」
「合コンで。同い年なの。大学4年」

好きな気持ちが全身からあふれている。こんなに純粋に恋が出来る恵が信じられない。ヒロまで幸せオーラに侵されてしまいそうだ。
ヒロは、今までそんな恋をした事がない。女友達なら沢山いるし、たとえ体を重ねても恋愛感情は湧いてこない。

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