さよなら、Teacher
3.プール
机の上に置いたままの招待券にヒロが気づいたのは、夏休み最後の日曜日だった。
モデルをしているエリカから、会いたいと電話がきた。
モデルの仕事上、日焼けは出来ないけど、せっかくの夏だから海かプールで泳ぎたい!
というエリカの言葉で、恵にもらった招待券を思い出したのだった。
恵の働いているプールは、大型アミューズメントパークの一角に併設されていた。すぐ脇にはホテルもあり、宿泊客らも泳げるようになっている。
ヒロ達が着いた時間はすっかり日も落ち、ホテルの宿泊客らしき中高年のグループと、何組かのカップルしかいなかった。
しかも、皆プールサイドで語り合い、泳いでいるのはほんの1人2人だった。
「へぇ、ヒロ、よく知ってたわね。意外と穴場だわ」
エリカは、自慢の肢体を流行のビキニで包み、うれしそうにプールに飛び込んだ。