さよなら、Teacher
4.フタマタ
夏休みが終わり、９月になった。
プールのバイトは８月いっぱいの契約だったので、恵のバイトはヒロの家庭教師だけになった。
これからは就職と卒業に向けて忙しくなる。

８月は忙しかったので、９月の第１週に休みを取って実家へと帰った。


実家は何も変わっていなかった。両親は汗と土にまみれて農作業に精を出し、お盆にも帰らなかった恵を叱った。

「で、教師には、なれそうなんか？」
「もちろん。教えるのは楽しいし、やりがいを感じてる」
「大学さやる時にした約束。忘れとらんだろな。
東京で教師になれんかったら、こっちさ帰ってこい。見合いして嫁に行け」

両親はいつもこの調子。見合いして早く嫁に行くことが恵の幸せだと思っている。

恵にも結婚願望はある。でも、見合いではなく好きな人と一緒になりたい。

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