さよなら、Teacher
5.淋しさ埋めるもの
「恵先生、こんばんは。お待ちしていたわ」
丹下家の呼び鈴を鳴らすと、丹下夫人の優しい笑顔が恵を迎えてくれた。
「こんばんは。お休みをありがとうございました。これ、つまらない物ですが…」
恵は、なんとか平静を保っていつものように丹下家の玄関をくぐり、丹下家の為に用意しておいた土産を渡した。
「まぁ、ありがとうございます。今日からまた、ヒロのこと、よろしくお願いしますね」
通されたヒロの部屋をノックする。