さよなら、Teacher
「フラれたの。私。
ヒロくんも二股なんて辞めて本命の女の子一人にしなさい。私みたいにツライ思い、させちゃダメよ」


「待ってよ、メグミ先生」


その時、ヒロは恵の前を遮り、彼女をいきなり抱きしめた。

「ヒ…ヒロくん!?」

思いがけないヒロの行動に、恵は息をのむ。

「そんな最低の奴のことなんて、忘れろよ。1秒でも早く」
「そんな…ムリよ。
それとも、ヒロくんは、早く忘れる方法でも知ってるの?」

「あぁ、知ってる。
一番手っ取り早いのは、新しい恋をする事。新しい恋で上書きしちまえ」

「カンタンに言ってくれるわね。
ヒロくんみたいにモテる男の子らしい、解決方法だけど。私には、ムリ」

「何でムリって決めつけるんだよ!メグミ先生らしくない!
オレが手伝ってやるから」

そう言うや否や、ヒロは恵の唇に自分のそれを重ねた。
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