さよなら、Teacher
6.さよなら、丹下君
恵は、ひとつ大きな息をついた。
身体が熱い。身体の奥から熱さが湧き上がるようだ。

ーまだ、足りない。もっと。

体がそう言っているような気がする。
こんな事、初めてだ。

「大丈夫?」

ヒロは腕まくらをして、優しく恵の乱れた髪をなおしながら、背を向けたままの彼女にそっと声をかけた。


ヒロは、終始、優しかった。
恵の反応を見ながら進んだり、時には止めたり。とにかく恵を大切にしてくれた。驚くほどの余裕を見せて。

自分が満足する事だけの大翔とは、全然違う。大翔の自己中心的な性格のせいもあるとは思うが、それだけじゃない。


それは多分、経験値の違い。


抱かれて実感した。


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