さよなら、Teacher
「メグ」
立ち去ろうとする恵の腕をヒロは掴んだ。
恵はその力強い手をジッと見る。
さっきまで、恵を優しく強く抱きしめてくれたヒロの手。でも、この手は離さなきゃ。
「私をこれ以上、みじめな女にしないで。淋しいからって、高校生のヒロにすがるなんて…」
「そんなに、オレじゃダメなのか?年下だから、頼りない?」
頼りない訳じゃない。プールで助けてくれたときも、こうしている今も、ヒロに寄りかかりたいと思う自分がいる。
でも、彼は高校生だ。
「私…私だけを見てくれる人がいい。淋しい時はいつもそばに居てくれる人がいい。強く、優しく私だけを包んでくれる人が」