さよなら、Teacher
「一緒にいる前提のコーディネート。そんなことを考えたことも無かった。
なるほど…一緒に歩きたくないって、言われるはずよね」


恵はふと、時計を見た。7時少し前。


「この時間、いつも大翔はおしゃれなビリヤードバーに居るんだ。私、一度だけ誘われていったんだけど、すごく場違いで。
大翔の友達に紹介すらしてもらえなかったなぁ。ただの知り合いって言われて。
そんな格好して来て恥ずかしいって後からずいぶん怒られた」


「オレ、いつものメグもいいと思うけどな〜

でも、そいつにとっては多分、女の子は自分を良く見せる飾りの一部なんだろうな。


よし、行こ。メグ、そいつにさ、見せつけに行こう。
見せつけて、メグの心の整理をつけよう。そいつのこと、きっぱりと忘れられるように」


ヒロはぎゅっと恵の手を握った。
力強いヒロの手に、恵は小さくうなづいた。
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