さよなら、Teacher

いつものお気に入りのビリヤード台。大翔の姿があった。友人らとビリヤードに興じている。

恵は大きく息を吸って、ドキドキする胸を押さえながらゆっくり大翔に歩み寄った。


「こんばんは」

「…？」

大翔は、恵の頭から足の先までゆっくりと見て、首をかしげた。

「オイオイ、大翔、すげー可愛い子じゃね？知り合い？」
「モデルかな？そういえば、JUNNのポスターのAYUMIに似てるね。言われない？」
「ホントだー！キミ、名前は？」

大翔の友人らは、ニヤつきながら恵を取り囲む。だが、恵は彼らには目もくれず、大翔だけをまっすぐ見た。

「もしかして、恵…？」

恵が小さくうなづくと、大翔は驚きを隠せないように息をのんだ。