さよなら、Teacher

「一条先輩だけだった。アッサリヒデの本性を見抜いたのは。
“ヒデが継いだら、アリオンは終わる”
そう言ってた。

オレは、会社なんてどうでもよかったから、先輩に何を言われても、気にしなかった。
ヒデと争うくらいなら、何にも要らないって。

でもさ、オレ、メグに会えて、自分らしく自然体で生きていきたいと思うようになった。

自分の力を試したい。自分の力で働いて、成果を出したい。
ヒデはヒデ。オレは俺なんだ」


あぁ、これだ。
恵がヒロに惹かれたのは、この強い心だ。
自分を変えることは、並大抵のことではない。でも、ヒロは華麗なまでに強くなった。
多分、これが本来のヒロの姿なのだ。
一条拓人のいう、最高の男の姿なのだ。

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