転生令嬢は小食王子のお食事係
 何というか、テオは庭師と言っていたけれど、本当にそうなんだろうかという疑問が湧いてくる。
 年齢もぱっと見は私と同じくらいに見えたけど、その割に話してみると、態度や振舞いかたはどっしりしていて若い感じがしない。
 口調だけ聞けばまあ、若いっていうか軽いっていうか、そんな感じなんだけど……。
 テオにうまく言い表せない違和感を覚えるけれど、レオナール様が信用して伝言役を頼むのであれば私に異論はない。
 私の料理を素直においしいと言って食べてくれるのは嬉しいし。
「わかりました」
「あと向こうの厨房もこれまで通り好きに使っていい。もし必要な材料があればテオに言ってくれればいいから」
 なんと! レオナール様から正式に厨房を使える許可をもらえるなんて!
 しかも材料も支援してくれるとは……!
 これまでは王妃様からの依頼ということで王妃宮から食材を譲ってもらっていたが、これからはそうしなくてもいいということだ。
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