転生令嬢は小食王子のお食事係
　でも女官にというのは何か訳があるのだろうか？
「女官と言ってももちろん別に身の回りの世話をしろというわけではないです。ただあの子にきちんと食事をとらせてあげてほしいのです」
「食事をとらせるとは……？　王子殿下に何か問題があるんでしょうか……？」
「私も聞いた話ではありますが、どうやら王子宮でほとんど食事をとっていないらしいのです」
「王子宮でとらないのでしたら、どちらで……？」
「おそらく普段は騎士団でとっているのでしょう。一応、寝るために王妃宮には戻ってきているようですが……」
　第二王子は、現在騎士団に関わっている。指揮権まではないものの、代理で指揮できる程度には、権限を与えられているというのは私でも知っていた。
　そのため、普段はほとんど騎士団にいて、訓練や演習に参加しているらしい。
　王子としての公務もあるので、それはしっかりやっているようだが、それ以外は騎士団に入り浸っているという。
< 55 / 215 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop