寂しがり屋の月兎
ぱたり、とノートを閉じた。

大事に鞄にしまい込む。

クラスメイトはもう移動し始めている。

流れに身を任せて望も教室を出る。

向かう先は体育館だ。

蝉の声は日増しにうるさくなる。

エアコンなしでは熱さが厳しい季節。

七月ももう中旬、今日は終業式だ。
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