寂しがり屋の月兎
直球な誘いに目を見張った。

また心音が速くなる。

花火大会。

心の奥から興味が溢れたのを自覚する。

例によって、そういうイベントをしたことがない。

花火大会──。

兎田と。

一際高く心臓が鳴る。

無意識に胸に手を当てて深呼吸。

と、兎田からまた文章が送られてきた。

『今度は、二人で』

一瞬息が止まった。

すぐさま肺に酸素を送り込む。

深呼吸を繰り返しながら、望は穴があきそうなくらいスマホの画面を見つめていた。
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