寂しがり屋の月兎
どきどきするのは、花火大会に対してだろうか。

それとも────。

兎田の顔がちらつく。

明るい茶髪とガラスの瞳と、眩しい笑顔。

なぜだか慌てて頭を振る。

画面は先ほどから変わっていない。

兎田がどこかで画面を見つめて返事を待っているような気になった。

たった一言を望は時間をかけて打つ。

『行きます』
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