寂しがり屋の月兎
ぱっと表示された一言に兎田はにんまりと笑った。

望はどんな顔をしているのだろうか。

『やったー。ありがと』

ハートを散らす兎のスタンプを送る。

『嬉しいな。楽しみだね』

これはちょっと意地の悪さが含まれている。

にやにやしながら返事を待っている兎田を、蛙でも見るかのような目で見るのは三日月である。

「なに」

「なんでも」

やれやれと首を振る三日月と並んで、帰宅の途についている。
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