寂しがり屋の月兎
「オーケーもらえたんだな」

「うん」

輝く笑みを三日月に向ける。

望を花火大会に誘う、と言ってスマホを取り出し、やり取りの後に頬が緩めば、察しのいい三日月には一目瞭然だったろう。

三日月は半眼で兎田を見ていた。

兎田のスマホが着信音を鳴らす。

見ると、

『そうだね』

とのこと。

再び満面の笑みを浮かべる。

社交辞令だろうがなんだろうが知ったことではない。

望も楽しみにしている、そう思うことにする。
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