寂しがり屋の月兎
「あ、それ、漫画の続き?」

「ふわあ!?」

いきなり話しかけられて、望はシャーペンとノートでお手玉をすることになった。

しかも両方落とした。

「なっ……いっ……」

暴れる心臓を押さえながら望は話しかけてきた人物──兎田朔を凝視した。

驚きのあまり言葉にならなかった。

「えー。そんな驚かれたらちょっと傷つくなー」

「な、な、なんでいるんですか……?」

ノートとシャーペンを拾いながら望は言った。

友だち宣言から一日経って、放課後の中庭である。
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