寂しがり屋の月兎
「おはよう、望ちゃん」

望はびっくりした。

学校の最寄り駅で降りたところである。

兎田がそこにいて、声をかけてきた。

朝兎田と一緒になったのは初めてだ。

「お……おはよう」

ぎこちなく挨拶を返す。

なんだかやっぱり変なのだ。

兎田と会うのは八月頭の花火大会以来だ。連絡は取り合っていたが、会うのは久しぶりである。

「久しぶりだね」

思っていたことを言われてどきりとした。

「う……うん」
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