寂しがり屋の月兎
どんな顔をすればいいやらわからない。

というか自分は今どんな顔をしている?

文化祭から数日、望はノートを最後のページまで埋めた。

朔がそれを知って見せてほしいとねだった。

交渉に次ぐ交渉、色んな手口で篭絡され、最終的に見せることになり、今に至る。

朔になら見せてもいいか、という気持ちは確かにあった、あったのだけれど、やはり羞恥心が湧き上がる。

「望ちゃん」

朔が望の髪をまさぐっている。
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