寂しがり屋の月兎
ううう。

望は仕方なく顔を上げた。

手で鼻から下を覆い、目だけで朔を見る。

「そんなに恥ずかしがらなくても」

「恥ずかしいの」

朔は微笑する。

「面白かったよ。俺は好きだな」

「…………」

その一言で、望は天にも昇るような心地になる。

「望ちゃんの絵って、すごく綺麗だね。繊細で、透き通っていて、光が通るみたい」
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