寂しがり屋の月兎
「はあ……」

膝の上の、木漏れ日を浴びるノートとシャーペンと消しゴムとものさし。

ノートに描かれているのは漫画だった。

なかなかイケメンな男子が登場したのだが、続くコマはただ空白で、なんのイラストもない。

理由は単純。

この漫画の作者、高校一年生の望が、この後の展開を思いついていないから。

見開きのノートの右側には漫画、左側は白紙。

望は左のページに落書きをしながら、ぼんやりと続きを考えてみる。
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