寂しがり屋の月兎
第三章
『私は──』

声が震えた。情けない。

きっ、と中空を睨む。

『なによ!?』

『──私は、あなたたちに命令されることなんて、なに一つない……!』

一旦思いを言葉にしてしまうと、心の奥からどんどんと溢れてくる。

『あなたたちがなにを言っても、なにをしても、もう私には関係ない……!』

『……生意気な口を……!』

頬を紅潮させた少女が満の胸ぐらを掴んだ。

満は目を伏せない。必死に睨み返す。
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