寂しがり屋の月兎
膝上のタイトスカートに、七分袖の白いシャツ。繊細な銀のイヤリングが耳元で揺れる。

さらさらの黒髪は背中に流し、手には黒の小ぶりのバッグを持っている。

シンプルなファッションだが、素材がいいので、凛とした美しさがより際立っている。

惚ける望とは裏腹に、有明は口を膨らませていた。

「有明さん、どうかしたの」

「望、可愛いわ」

望は反応に困る。

自分より数十倍は可愛い有明にそんなことを言われても、というかどうしてむくれているのだ。

望は白いワンピースを着ていた。フリルがあしらわれていて、歩くと揺れる。胸元にはリボンが控えめに飾られている。

肩に届かない長さの黒髪は、もともとくせっ毛で、ゆるく波打っている。
< 77 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop